『壱路』(二稿目)冒頭

一 早朝のひかりがしだいに熱を帯び空もうっすらと白みはじめているのには気づいていたが特に注意をはらうことなく足をすすめていた。山肌に沿ったゆるくおおきなカーブを超えると目の前には麓の、さらに視線を奥にやれば盆地の悠然とした景色が立ちこめた霧…