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六時過ぎに目覚めた。立ちあがり、窓の外へと目を向けると路上に雪が積もっているのがわかった。車道は自動車がとおったせいで霙状の轍が何本かひかれており、自室からでも凍結している部分がちらほらと確認できた。あれはあれであぶないのではないかとおもった。が、それをどうにかしようとはおもわなかった。とりあえず筋トレを三十分こなしたものの、外に出て様子をたしかめるとジョギングはあきらめざるを得なかった。路上の雪は早くも溶けはじめており、足をとられるうえにすべってあぶないとわかったのだ。その後一度自室へともどり、厚着をしてから散歩に切り替えようとふたたび外に出たが、エントランスから数十歩行ったところで引き返してきた。やはり足元が危うかったし、何より寒すぎて散歩なんて楽しめないとおもった。外では自宅まわりの雪かきを行っている人がいた。全員おじさんだった。こういう作業は家長のつとめ、みたいな風潮があるのだろうか? 雪かきなどやったことのない身からすれば、お疲れさまです、としか感じなかった。と同時に家を持つことはこうした面倒を引き受けることなんだろうと、俗っぽいことを考えた。なんにせよ面倒くさがりの性格なので、それだったらずっと賃貸でいいや、とおもった。同時に仕事だったらやれるだろう、ともおもった。けっきょく二度手間を食ったことに苛立ちながら風呂に入った。ジョギングで汗を流せないぶん、半身浴でまかなうつもりだったが、妙なことにいつまで経っても身体が芯からあたたまらないので、もういいや、と切り上げて身体と髪を乾かした。時間だけがそれなりに過ぎていたので、こんなん詐欺やんけ、とまた苛立ちをつのらせた。

きのう中途半端にしてしまった英語の勉強をとりあえず終わらせておいた。今日のノルマ分はまた別である。それからブログを書いた。書きながら、部屋の中がみるみる明るくなっていくのがわかった。外を見ると、まだ雪かきを行っているおじさんがちらほらいた。更新したあとか、する前かおぼえてないが、胃がぐるぐると鳴ってうるさいので早めの昼食をとった。冷蔵庫に卵や野菜がなかったので、厚揚げだけを炊いて煮物した。煮ている間にも腹が減りつづけていたので、冷凍ご飯を解凍して煮汁をぶっかけて食らった。なんちゅう飯だよ、とおもいながらやはり野菜は高くても一食ごとに多少は摂取しないといけないという気になった。炊いた厚揚げも食し、腹はふくれたがくだらない食事をしてしまったことに嫌気がさした。

ブログを更新してからは五部の推敲にとりかかった。冒頭部分をがっつり(と言っても六百字程度)書き足しただけで一時間以上が経過しており、ちょっとあせった。途中、藪から棒に猛烈な頭痛がしたので、痛み止めと胃薬を併用して飲んでおいた。しばらくしたら治った。じぶんの場合に時系列や全体としての統合性を維持できているか、あるいは文章としてよどみなく流れているかという大局的な視点と、一文単位でおかしなところはないか、もっとよく表現できないかと工夫を凝らす集中的な視点を持って推敲にのぞむ(かっこつけてるね!)のだが、ついつい後者に傾きすぎてしまうきらいがあるので、そうした兆候を察知した時には意図的に他の作業(玄米茶をつくったり、肩回りのストレッチをしたり、Tおすすめのゲーム実況動画やじぶんのはまっているラジオ音源の抜粋を視聴したり、BGMを変えたり、Xvideoでお世話になったり(これに関しては抜きなしのことの方がおおい。身体を鍛えていると男性ホルモンが活性化されて性欲が増すと耳にしたことがあるが、じぶんにはほとんど当てはまらない)、TVを適当につけては二三分で消したり)に移行し、気晴らししてからまた文章にのぞむという方式を、以前から採用していたはいたのだが、今作からより積極的に行うようにしていて、そのおかげかは知らんが、はかどると言えばたしかにはかどるし、集中力も以前よりは増した気がするのだけど、いかんせん時間の経過がどえらく早く感じられるようになってしまった。五部の推敲をやっとこさ終えた時(といっても一周目なので、まだこれから何周もすることにはなる)にはもう外が暗くなりはじめていた。マジかよ、とおもった。浦島太郎になったような気さえした。身体はそれなりに凝り固まっていたが、時間の流れの早さがやはり嘘のようにおもえた。日に日に早くなっている。

これ以上小説と向き合えそうにもなかったので適当に着替えて外に出た。夕陽はすで見えなかったが、夕焼けの終わりをながめることができた。高架下、家々の輪郭が菜の花色を帯び、その上に水色の透き通った層ができるさまやまだ夜になりきらない空の藍色とも紺色ともつかないのがじょじょに暗くなっていくのを観察するのは本当に好きだ。おもわず足を止めて見入ってしまう。朝焼けの雄大な感じよりも、夕焼けのしんみりした感じが好きである、ってこれは昔書いた小説にもつづったぞ、しかも女の子視点で。

タリーズに移動し、コーヒーを注文してからカウンターで受け取った。注文の際のじぶんの声が、ひどくちいさく掠れているように聞こえた。というか、確実にふだんより発声がとどこおっていた。おもえば昨日の午後からずっと声を出していなかった。どうやら喉という器官は唐突の発声に耐えられないらしい(同じようなことをT矢さんもブログに書いていた)。奥まった一人用のテーブル席に腰かけ、英語のノルマを三分の二程度こなした。今朝よりもいっそう物覚えが悪いような気がした。ぜんぜん頭にはいってこなかった。一時間ほど経過したところであきらめ、読書にうつった。柴崎友香『春の庭』。しょっぱなからほどよく力の抜けた文章、キメきらない文章がならんでおり、ああ、柴崎友香だなぁとおもった。このひとの小説を読むと、いつもじぶんの書いているものに力が入りすぎているとおもわさせる。じっさい、そう感じるだろうと予想して読みはじめてもいた。推敲に活かす脳みそで小説を読みすすめた。スマートフォンにかるくメモを取りもしたが、たいしたことは書いてなかった。一時間ほど読みすすめたところで退店した。すでにすっかり夜である。風が非常につめたく、薄着をしてしまったと後悔した。石川町の青葉に移動し、買い物をした。腹が減って仕方なかったので、帰ってすぐに調理できるものをとサッポロ一番味噌ラーメンを迷いなく買いもの籠に入れた。じぶんが唯一購入するインスタント麺であり、父親の好物でもある。もやしを大量ゲットしようとしたらすでに売り切れていた。ふだん山ほど積んである売り場なので、もろもろの野菜の高騰により需要が伸びているのだろうとおもった。漬物、牛乳、卵、長葱、油揚げ、水、濃口醤油も合わせて購入した。一枚二円のレジ袋がぱんぱんになった。やぶれないか心配だったけど、無事だった。

帰宅してさっそく晩飯をこしらえた。サッポロ一番味噌ラーメンと共に長葱の青い部分の小口切りと卵を煮込んだ。それをおかずに白米も食らった。食欲旺盛である。食後にはなんとなく甘酒が飲みたくなったので、酒粕とみりんと砂糖と水で適当につくった。本当は麹からつくると激うまなのだが、そんなことをするほどまめじゃない。

食後はふたたび小説にのぞんだ。二周目の推敲である。一部の冒頭から読み直した。すると意外にイケているので安心した。が、やはりこまかなところで修正を加えはした。非常に集中できた気がする。一部の推敲を終えたところで二十三時を過ぎていた(早い!)ので、英語勉強に移行した。二部は文体がややこしいので、すすむ気力もなかった。一応ノルマを終えたところで日付は変わっていたが、眠気はほとんどなかったので読書に移行した。眼鏡の鼻当てにふれる部分がやたらと痛むので姿鏡に近寄って確認すると、ものすごく赤くなっていた。一応へこんではいたが、腫れていてもおかしくないようにおもえた。石榴みたいだった。一時前には寝ていた。明かりは点けっぱなしだった。