今、ここでうまれた

きみはあわくひかりはじめる

着古した服もすでにしてあたらしい

袖をとおす感覚 あざやかな

髪をととのえる手つきの大胆に

目元がこたえて笑う

きのうまでの悲しみも

怒りも不安も

脱ぎ捨てて洗いながした

飽きるほど耳をふさいできただろう

あたえられた胎膜は

いつからじぶんのものに

街と町をつないできた

景色さえとおくにじんで

目玉をくり抜く鈍行の窓

夜な夜なうかぶビルディングの正面は

さみしい獣か

流し流され

車輪の脇で咲く秋桜

たぶん、弱風の

冷えた空気が腿を冷やす

肌を刺すのは過去の視線と烏龍茶

積んだ本を殴りたおせば

塵埃はひかりのまっすぐとたわむれる

最先端の音楽は

なんだかおどれるのだと

午睡のまどろみは朝のよう

指と首の肉は痩せたまま

皴だけをふかくして乾いていく

琥珀の波打ち際

きみは今、ここでうまれた