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こめかみのあたり

自由は非力だと君は言った

するどい西日が目に刺さった

茜色に染まった空はカーテンの隙間から

影をしのばせて

太陽はおおきな鱗のようで

そこかしこに一石を投じて 

物干しざおにかけた玉ねぎが

微動だにしない

温度は今

息を止めて

一度死んだ

あたたかさも冷たさも反故にされて

ほら、君の言う通り

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赤くなる前に腐りたい

もがれた青林檎はひとりごち

そのくぐもった声は

適当な闇に溶けて

記憶もすでに

どんづまりの静謐

ぜんぶ物体とおなじ

不忍池にできたきれいな波紋

うなじ

だれかがうまれた