雨と埃

降るものだけ降ればいい

振るものだけ振ればいい

ぬるい外気は葉を濡らす

狂いたい日は歯を濡らす

 

アパートはさみしい親鳥

街並みは灰色くうなだれて

食べ物がなくて張りついた 

春の日は白目をむいた

叫んだ

深夜の馬鹿騒ぎ

涙は枯れてまたさようなら

つまるところただの幸せが

一日を占めた

一日を締めた

 

きみは外 黄身は外

福は内 服は家

どうあがいたって優しい歌なんて歌えない

声真似だけ進化して

世界の速さはこだまさえ許さない

生きるための鈍さは

生活の冴えない新商品

性活の冴えない日用品

 

今なお動く足は

だれに急かされて

やさしいひとは

ずっとやさしくて

歳月は残酷だと

今日も学び損ねた

損ねた今日が

くすねた今日が

だれかにそっと寄り添えばいい

だれかにそっとささやけばいい

傘はまだ閉じたまま